社会活動

道徳教育による高大連携 ― 麗澤瑞浪高校で『高校生のための道徳教科書』を使った授業実践 ―

道徳科学教育センターでは10月3日(木)、4日(金)に麗澤瑞浪中学・高等学校において『高校生のための道徳教科書』を使った「道徳」の授業実践を行いました。 この授業実践は道徳科学教育センターが平成25年2月に出版した『高校生のための道徳教科書』を実際の授業で使用し、作成の狙いや話題の取り上げ方等について検証し、授業の展開の仕方を確立するために実施したもので、麗澤高等学校では6月から7月にかけて4回実施しました。今回は麗澤瑞浪高等学校のご協力をいただき2日間にわたり道徳特別授業として行ないました。 講師は麗澤大学道徳科学教育センターの江島顕一センター員、宮下和大センター員が務めました。 お二人とも麗澤大学では「道徳科学」の授業を担当しており、『高校生のための道徳教科書』の執筆メンバーでもあります。 授業は4年生(高校1年)と5年生(高校2年)全員を対象として、以下のような時間割で実施しました。 ≪日 程≫ 10月3日(木)     13:50~14:40    5年1,2組 53名     (宮下) 10月4日(金)     10:10~11:00     4年3,4,5組 78名  (江島) 11:10~12:00     5年3,4組 53名     (宮下) 12:10~13:00    4年1,2組 55名     (江島) 14:50~15:40    5年5,6組 65名     (宮下)   宮下講師は、麗澤瑞浪中学校1期生でもあり、中学、高校と6年間過ごした母校で、恩師に見守られながら授業に臨みました。 授業では事前に5年生に①「実は友だちに感謝していること」、②「よい友だち関係とはどんな関係か」の2つのアンケート調査を行った回答を中心に進められました。まず、冒頭で「自分の子供が将来どんな人になってほしいか」という東アジア5都市の子供を持つ母親に対する意識調査で、日本は「家族を大切にする人」「友人を大切にする人」が1位、2位を占めていること、青年が充実感を感じるときはどんな時かという世界青年意識調査で、日本は「友人・仲間といる時」が1位を占めていることを紹介しました。 そのうえで、友だち関係を大切に思うからこそ、悩みも大きいことを挙げ、事前アンケートの回答を紹介しながら、「友だち関係」についてお互いの考えに学ぶことの大切さ、「教わる」だけでなく「学びあう」ことの意義へと話をすすめました。 最後に麗澤の語義を説明し、麗澤はお互いが人間として成長する学びの場であり、それは友だち同士だけでなく、誰もが生涯求め続けられる「師弟同学」の学びの場であると結びました。   江島講師は、麗澤高校での4回の授業実践を行ってきましたが、麗澤瑞浪高校に初めて訪問したことと、合同クラスでの授業ということで麗澤高校での授業スタイルをやや変えて授業に臨みました。冒頭で、自身が麗澤高校時代にサッカー部に所属していたとサッカーボールをリフティングして見せながら自己紹介をしました。 授業では、江島講師が執筆した「One for All, All for One ― ホペイロという仕事」を教材として授業を進めました。 まず初めに「書く」、「話す」、「考える」をミッションとして授業の中で実践することを宣言し、授業前半は、江島講師が教科書の冒頭を朗読した後、「ナラティヴ」と「気づきのコラム」を生徒に順に朗読してもらう形式で進められました。 後半は、教科書に記述された5つの質問事項について生徒各自が回答を記入し、次に4~5人のグループに分かれてそれぞれ回答について話し合いを行いました。最後に話し合いの中で気づいたことやあらためて考えたこと等について各自がメモを書いて終了しました。 江島講師は「書く」「話す」「考える」時のポイントをその時々に次のように示しながら授業を進めました。 「書く」ときのポイント ・正解はない  ・自分の経験 「話す」ときのポイント ・耳を傾ける  ・メモを取る 「考える」ときのポイント ・あらためて考える  ・気づいたこと 宮下講師、江島講師とも合同クラスへの対応にパワーポイントを使うなど工夫を凝らしながら授業を進め、無事に5回の授業を終了することができました。 全授業終了後には、校長室にて麗澤瑞浪高校で「道徳」の授業を担当している谷渕篤孝事務部長、高瀬仁志教頭先生、井上正信教頭先生、野中康弘先生、小倉博先生との懇談をさせていただき、今回の「道徳特別授業」の感想や両講師への意見をいただくことができ有意義な2日間を終えることができました。 今回、道徳科学教育センターからの「道徳」の授業実践の実施を快く引き受けていただきました麗澤瑞浪高校の蟹井校長先生はじめ「道徳」のご担当の先生方にはこの場をお借りして、心より御礼を申し上げます。 また、講師の話に熱心に耳を傾け、「書く」、「話す」、「考える」を実践してくださった4年生、5年生の生徒の皆様にも心より感謝申し上げます。

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