社会活動

『高校生のための道徳教科書』を使った「道徳」の授業実践(第4回)

  平成25年7月19日(金)、『高校生のための道徳教科書』を使った「道徳」の授業第4回が麗澤高等学校で行われた。 これは、道徳科学教育センター(CMSE)が作成した『高校生のための道徳教科書』を実際の授業で使用し、作成の狙いや話題の取り上げ方等について検証し、授業の展開の仕方を確立するために実施したもので、今回で4回目となる。講師は、第3回までと同様に同校の卒業生でもある江島顕一センター員が務め、4Hクラス(高校1年生)で行われた。 江島講師は、初めに今までの授業でも取り上げたAKB48の総選挙の話題から、華やかなステージで活躍しているAKB48が歌う一曲の歌の背後にもプロデューサー、作詞家、作曲家、ミュージックビデオの監督、CDジャケットの写真家、ダンスの振付師など、実に多くの人間が関わっていることを紹介した。 その後、教科書の「One for All, All for One -ホペイロという仕事」(pp.95~102)の単元を使って授業を進め、サッカーにおける用具管理の専門職であるホペイロの仕事を紹介しながら、学校でも社会でも様々な立場や役割があること、そうした集団の中で物事を成し遂げていくには周囲への感謝や尊敬の念が求められることを論じた。 授業前半は、江島講師が教科書の冒頭を朗読した後、「ナラティヴ」と「気づきのコラム」を生徒に順に朗読してもらう形式で進められた。後半は、教科書に記述された5つの質問事項について生徒各自が回答を記入し、次に4~5人のグループに分かれてそれぞれ回答について話し合い、最後に各グループの代表が今回の授業を通じての感想を発表した。 授業終了時に提出された生徒たちの感想文には、「高校でも周りの人への感謝を忘れず、チームのためや誰か一人のためでも行動できるような人になりたい。」「サッカーで言えば、選手はそのような人たちに感謝し、なぜ自分がそのような場にいられるのかを分かってこそ、本当のプロなんだと思いました。」「普通で何気ない日々の中で、実は様々な人が関わり合って生活していることに改めて気付きました。常に感謝の気持ちを持ち続けていきたいと思います。」「一人はみんなのために、みんなは一人のためになんて言葉はきれい事だと思っていたが、今日の授業の北嶋選手の話を聞いて気持ちが変わった。」「私が中学のときのクラス目標は、一人はみんなのために、みんなはひとりのために、でしたが当時は意味が分かりませんでした。高校生となり改めて考え直すと、これは感謝と敬愛の心を表すものだと思いました。一言で単純な言葉ですが、とても意味深く、重要なことを示していると思います。」などの感想が書かれており、同書の目的である高校生の共感力や想像力、自己洞察力を刺激する機会となったようである。 江島講師による『高校生のための道徳教科書』を使った授業は今回で一旦終了し、10月3日~4日には麗澤瑞浪高等学校において江島顕一センター員と宮下和大センター員が『高校生のための道徳教科書』を使った授業を行う予定である。

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