講演、シンポジウム

第4回高校教員のための道徳教育講座を実施

P8100191平成25年度からの千葉県の県立高等学校における「道徳の時間」の必修化に伴い、各高等学校からの要請を受けて道徳教育に関する学内研修会等へ平成24年度より講師を派遣していましたが、研修会の参加者からの「道徳とは何か?」「どのように教えたらいいのか?」という疑問に応えるため「高校教員のための道徳教育講座」を平成25年度より開催してきました。今年度は第4回目を迎え、「『道徳』の教科化と道徳授業への提案」をメインテーマに本学の江島顕一助教のほかに、千葉県立船橋北高等学校の稲田敏志先生および茨城県立下妻第二高等学校の北條奈緒美先生を迎えて開催しました。

江島顕一助教は、「よりよい道徳教育をめざして」のテーマで、小・中学校の『学習指導要領解説 特別の教科道徳編』を手がかりとして、高等学校においても大切な道徳教育の基本的な在り方について解説し、道徳科時代の課題としてはアクティブ・ラーニングの充実があるとして、体験的な活動や言語活動のさらなる推進が求められると話しました。そして、「道徳授業」で大切なこととして、価値観、児童生徒観、資料観を、「道徳教育」で大切なこととして、教科観、教師観、道徳教育観を挙げ、それらの省察が重要であると話を結びました。

P8100209稲田敏志先生は、「道徳を学ぶ時間」を通して教員の指導力向上を目指すとともに、生徒の心を育てるために船橋北高校が実践している取り組みについて報告されました。また、実際に使用しているワークシートの紹介、「道徳を学ぶ時間」を実施する中で明らかになった課題等に触れ、道徳教育は生徒の道徳性を育むために必要なことであり、その指導は学校の教育目標と道徳教育の重点目標を目指して行うことが大切であること。そして、道徳教育は教育活動全体を通じて行うものであるため、学級経営の充実と教科指導の充実がなければ道徳教育は成り立たないと結びました。

 

P8100217北條奈緒美先生は、今年度から茨城県が高校2学年の生徒を対象に始めた“道徳プラス”の授業実践について報告されました。“道徳プラス”では、1学年対象の読み物資料を中心とした「道徳」の教材から発展し、グループワークやペアワークを用いたアクティブ・ラーニング型の授業を行っており、問題提起に対して、生徒が考えたことや判断したことを行動や実践に移そうとする心を育成することを目標に授業を展開しているとのことでした。また、道徳的な視点での指導は、学校全体で日々行われているもので、「道徳」や“道徳プラス”の時間が生徒の心の成長段階をはかる機会にもなっていると、明野高校、下妻第二高校で実践してきた授業の成果と課題について話をされました。

各講師の講演のあとに参加者が7グループに別れてグループ別懇談を行いました。短時間でしたが、各校の道徳教育の現状や課題等および各講師の講演内容などについて活発な話し合いが行われました。

「『道徳』の教科化と道徳授業への提案」のテーマで行われた今回の講座では、受講者はそれぞれに熱心に聴講、グループ別懇談を行い、満足した雰囲気の中で閉会しました。

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