『高校生のための道徳教科書』を使った「道徳」の授業実践(第3回)
平成25年6月28日(金)、『高校生のための道徳教科書』を使った「道徳」の授業第3回が麗澤高等学校で行われた。
これは、道徳科学教育センター(CMSE)が作成した『高校生のための道徳教科書』を実際の授業で使用し、作成の狙いや話題の取り上げ方等について検証し、授業の展開の仕方を確立するために実施したもので、今回で3回目となる。
講師は、第2回までと同様に同校の卒業生でもある江島顕一センター員が務め、4Gクラス(高校1年生)で行われた。
江島講師は、初めに前回の授業でも取り上げたAKB48の総選挙の話題から、華やかなステージで活躍しているAKB48が歌う一曲の歌の背後にもプロデューサー、作詞家、作曲家、ミュージックビデオの監督、CDジャケットの写真家、ダンスの振付師など、実に多くの人間が関わっていることを紹介した。
その後、教科書の「One for All, All for One -ホペイロという仕事」(pp.95~102)の単元を使って授業を進め、サッカーにおける用具管理の専門職であるホペイロの仕事を紹介しながら、学校でも社会でも様々な立場や役割があること、そうした集団の中で物事を成し遂げていくには周囲への感謝や尊敬の念が求められることを論じた。
授業前半は、江島講師が教科書の冒頭を朗読した後、「ナラティヴ」と「気づきのコラム」を生徒に順に朗読してもらう形式で進められた。後半は、教科書に記述された5つの質問事項について生徒各自が回答を記入し、次に4~5人のグループに分かれてそれぞれ回答について話し合い、最後に各グループの代表が今回の授業を通じての感想を発表した
授業終了時に提出された生徒たちの感想文には、「普段、普通に生活できているのは自分だけの力ではないことを感じました。常に周りの人に感謝の気持ちを持って接したいと思いました。」「周りの人に感謝しながら、自分も人を支えられるような人になりたいと思いました。」「将来自分がどのような仕事をしたとしても、それに誇りを持ち、プロフェッショナルと呼ばれるようになっていきたいです。」「サッカー選手やアイドルのような人にもたくさんの人の協力があってこそ成し遂げられることがあるのだと改めて実感しました。それは高校生である私たちにも共通していると思います。」などの感想が書かれており、同書の目的である高校生の共感力や想像力、自己洞察力を刺激する機会となったようである。
次回の授業は7月19日(金)に実施する予定である。