よりよい道徳教育と道徳授業をめざして - 平成28年度柏市大学連携講座を開催 -
平成28年8月4日(木)に柏市大学連携講座「道徳教育研修」が麗澤大学で開催され、51名の小中学校教員が熱心に聴講しました。
はじめに麗澤大学を代表して、本学道徳科学教育センターの大野正英 副センター長より挨拶、柏市立教育研究所より講師紹介が行われました。今年の講座は本学経済学部の江島顕一助教、流山市立小山小学校の大舘昭彦校長の2名の講師により「道徳の本質と実践~よりよい道徳教育と道徳授業をめざして~」の総合テーマのもと講義が行われました。
江島講師は、「よりよい道徳教育をめざして」と題して、道徳教育の歩み、道徳科時代の課題、「観」の省察という3つの観点から講義を展開しました。まず、学習指導要領に見る道徳教育の変遷と教科化の動向を解説し、次に、道徳科時代の課題としてアクティブ・ラーニングの充実として、体験的な活動や言語活動のさらなる推進が求められると論じました。そして、「道徳授業」で大切なこととして、価値観、児童生徒観、資料観を、「道徳教育」で大切なこととして、教科観、教師観、道徳教育観を挙げ、それらの省察が重要であると述べました。
続いて、大舘講師は、「『特別の教科 道徳』への準備」と題して、「道徳の時間」から「道徳科」に変わったことで何が変わるのか、また授業で何が求められているのかを解説し、授業を進める上ではアクティブ・ラーニングがキーワードであり、問題解決的な学習など多様な指導方法を工夫することが必要であると論じました。評価については、子ども達個々の良さ(伸び)を見とることが(大切)であり、求められる道徳的価値については、発達段階に応じた価値の分析を行い、授業の中でのねらいや学習内容の焦点化が大切であると講義を結ばれました。講義の合間には、実際に読み物教材を使って受講者に授業のねらいや発問を検討してもらうことも行われました。
「道徳の本質と実践~よりよい道徳教育と道徳授業をめざして~」というテーマで行われた今回の講座は、3時間ほどの時間でしたが、受講者はそれぞれに熱心に聴講し、満足した雰囲気の中で閉会しました。