平成27年度柏市教職員研修講座 ~柏市と麗澤大学との連携講座~
平成27年8月24日(月)に柏市大学連携講座として麗澤大学を会場に「道徳教育研修」が開催され、約80名の小中学校教員が熱心に聴講しました。
冒頭、麗澤大学から小野宏哉副学長、柏市から教育研究所の逆井俊彦氏が挨拶、講師紹介が行われました。今年の講座は本学経済学部の江島顕一助教、柏市立藤心小学校の広中忠昭校長の2名の講師により「道徳の理論と実践~よりよい道徳教育と道徳授業をめざして~」を総合テーマに講義が行われました。
江島講師は、「よりよい道徳教育を目指して」と題して学習指導要領に見る道徳教育の変遷から教科化の動向、道徳の時間と道徳科の異同について解説、 道徳科時代の課題として体験的な学習・活動の充実、言語活動の充実および指導体制の充実が必要であり、道徳教育および道徳科の成功の前提は教師と児童・生 徒との信頼関係ならびに校内環境が必要であると話をされました。そして、「道徳授業」で大切なことは、教師が道徳的価値について明確な考えを持つこと、児 童・生徒がどのような状況、実態であるかを把握すること、教師の価値観と児童・生徒観に基づいて資料の活用を考えることであり、「道徳教育」で大切なこと は、人格の完成を目的として道徳科をどのように他教科と関連付けるのか、教師自身が道徳的価値観をどのように行為として実現するかである、と話をされまし た。
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続いて、広中講師は、「道徳の教科化に向けた授業改善」と題して、学習指導要領改正の経緯、道徳教育の抜本的改善・充実の具体的なポイントについて 解説され、道徳科の目標は「よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため道徳的諸価値についての理解を基に道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育 てること」であると話をされました。さらに指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項や指導計画の作成と内容の取り扱いについては、児童の発達段階に応じ た指導、家庭や地域社会との連携、他の教師との協力的な指導が必要であると話をされ、授業改善のキーワードとして「道徳的価値を理解する」「児童・生徒の 発達段階や特性を踏まえる」「問題解決的な学習や体験的な学習等を適切に取り入れる」などが必要であると結びました。
「道徳の理論と実践~よりよい道徳教育と道徳授業をめざして~」というテーマで行われた今回の講座は、3時間半ほどの時間でしたが、受講者はそれぞれに熱心に聴講し、満足した雰囲気の中で閉会しました。