講演、シンポジウム
春日部市立葛飾中学校の校内研修にて江島助教が講義
平成26年8月25日、道徳科学教育センター員の江島顕一助教が、埼玉県春日部市立葛飾中学校の校内研修にて、道徳教育に関する講義を行いました。
講義は、「よりよい道徳授業と道徳教育をめざして」をテーマに、前半は道徳授業における資料活用論について、後半は道徳教育を行う上での教育観について展開されました。
講義の前半は、葛飾中学校にて「道徳の時間」に用いられている副読本『かけがえのないきみだから』を中心に、その内容分析を通じた活用のポイントをいくつか指摘しました。まず、この副読本が何を目指しているのか、その特徴や性格を把握し、教員間で一定の共有を図ることが道徳授業の前提の一つとして重要であると述べました。また、発問の効果的な方法や充実した話合い学習の課程、そして副読本に附属の「セルフノート」の活用の工夫や留意点等を具体的に示しました。
後半は、こうした道徳の授業や学校の教育活動全体を通じての道徳教育を行う上では、教員一人ひとりが道徳教育観を持って臨むことが大切であることを強調しました。そして、そうした教育観の形成には、『学習指導要領』に拠りながらも、自らの実践に基づく経験、目の前の児童生徒の実態、活用する副読本、資料等を絶えず省察していくことが求められると述べました。最後に、古今東西の教育思想家の言説を引きながら、最上の道徳教育は教師の人間性によって達成されると結びました。
道徳科学教育センターでは、COC(Center of Community)としての地域貢献活動の一環として、所在する千葉県をはじめ近県の中学校、高等学校に道徳の出前授業や講義を提供しています。