講演、シンポジウム

ベトナム国家大学ホーチミン市校人文社会科学大学に道徳研究センターが発足

去る12月9日から14日にかけてベトナムを訪問し、提携校であるホーチミン市国家大学人文社会科学大学(USSH)との交流を深めた。主たる目的 は、同大学に道徳研究センターが開設され、その記念式典に参列し祝辞を述べることと、それに併せて開催される国際シンポジウムを同大学と共同開催し、同行 した堀内一史教授と犬飼孝夫教授とともに研究発表することであった。

以下は同行した国際交流センター長の犬飼教授、経済学部の堀内教授、学事部の今村部長のレポートである。

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046C1967  今回の一連の行事は、USSHが郊外に20ヘクタールもの広大な用地で大規模開発を進めている新キャンパス(Thu Duc Campus)において行われた。ホーチミン市中心部から車で40分程度の距離にあるが、現在、日本のODAにより地下鉄が建設されており、2018年の 完成後は中心部からの移動も便利になり、今後の発展が期待されるキャンパスである。

  道徳研究センターの開設記念式典に先立ち、12月10日9時から、竣工したばかりの真新しい建物にある会議室で、USSHと本学の姉妹法人である公益財団法人モラロジー研究所の間で、連携に関する覚書の調印式が執り行われた。

蛹怜キ晏・逕歃046C1878 続いて10時より、同じ建物にある立派な講堂で式典が開催された。始めに挨拶に立ったUSSHのVo Van Sen学長は、ベトナムで初めて科学的に道徳を研究する目的で設立する道徳研究センターについて、このセンターを中心として、USSHの研究が画期的に進 化することに大きな期待を表明した。そして、新たに任命された同センター長のVu Tinh教授は、本センターは、学術研究と同時に社会人を対象とする応用研究に取り組むことも大きな目的であることを表明し、本学およびモラロジー研究所の協力に大きな期待を表明した。

 続いて、来賓を代表し、モラロジー研究所の北川常務理事と本学の中山学長が祝辞を述べた。この中で、中山学長は、同センターの設置を祝すと共に、 本学創立者廣池千九郎の生誕150年を迎える時期に開設されたことは偶然ではなく、今後の大学間交流だけでなく、日越交流にも寄与することに期待を表明し た。そして、センター設立の記念品として、モラロジー研究所と本学から、創立者もその編集に携わった我が国最大の百科史料事典である『古事類苑』全51冊 が贈呈され、返礼の記念品がUSSHからそれぞれに贈呈され、式典を終了した。

046C2174同日16時からは、道徳研究センターが協賛する日本とのビジネスを志向する経営者を対象として開催されたセミナーで中山学長が講演した。この講 演では、これからの企業は従業員を含むさまざまなステークホルダーの幸福を第一に考え、社会の発展を志向するという経営者の考え方が重要であり、それが経 営者個人の幸福実現にもつながる唯一の道である、日本人とベトナム人は似た特徴を持つと思われるので、お互いを尊重してビジネスを行うことで共に繫栄する ことに期待を示した。この講演に対して、日本とベトナムの社会体制や文化等の相違をどのように考えるのか、日本人とうまくビジネスをするにはどうしたらよ いか、等の質問が多く寄せられた。中でも、自身が健康問題を抱える女性経営者の質問について、真に意味のある生き方について中山学長が説明するという感動 的な場面もあり、大きな拍手とともに講演を締めくくった。

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