社会活動
ミズーリ大学 M.バーコビッツ博士による特別ワークショップを開催しました
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「エンパワーメント教育で学校を変える!」ワークショップ報告
木下 城康
日 時: 2013年8月20日(火)13時から16時 会 場: 麗澤大学 校舎「あすなろ」2508教室 参加人数: 35名 流 れ: 関係づくり(5Wsシート)、講演、ペアワーク、講演、質疑応答 通 訳: 水野 修次郎センター員 ワークショップの内容: 1.人格とは何か。 ここでいう人格は「個人を有能な道徳実践者にするための総合的な心理的特質」のことです。 2.なぜ人格教育が必要なのか。 民主主義の国では、民主的な人格が必要です。その人格を育てるには、民主主義の知識を教えるだけでなく、民主主義そのものを経験する必要があるのです。練習が不可欠です。というのも、民主主義は直感に反する性質があるからです。例えば、勝利と敗北・複雑で混乱している・好きではない人と協働しなければならない、などがあります。 3.人格教育の5つの柱 バーコビッツ博士の人格教育は、5つの柱で構成されています。頭文字をとって「PRIME」といいます。<P:Prioritization(優先順位)、 R:Relationships(関係性)、I:Intrinsic Motivation(内的動機)、M:Modeling(モデリング)、E:Empowerment(エンパワメント)> 4.優先順位(Prioritization) 優先順位は、他のどの教科よりも人格教育を優先する、という意味です。来日の前に訪れたシンガポールでは、国を挙げて人格教育をすすめようとしています。すべての教科に優先して人格教育に予算が充てられているのです。 5.関係性(Relationships) 小学校の例です。ある学校でバレーボールの大会がありました。観戦に来ている親のマナーが悪く、審判をつとめていた中学生に暴言を浴びせていました。試合の進行に差し支えるほどで、教員たちはバーコビッツ博士に助言を求めました。そこで先生は試合の前に小学校の教員たちに観客席にいる親たちに向かって、審判をつとめる中学生の紹介をするようにしました。すると、小学生の親たちは審判への暴言をやめたのです。このように関係性が築かれると問題行動を止めることができます。 6.エンパワーメント(Empowerment) 人格の一部分は自律の感覚によって発達します。子どもがそれぞれ問題を適切に対処し、計画し、解決するためには、経験が必要です。そこで協働学習や学級会を実施します。主体的に活動することで学ぶことを好むようになり、人格を形成していきます。
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参加した学生の感想
古森 千尋(国際交流・国際協力専攻 4年) よい人格の形成は自分自身のあり方を見つめ直し、存在を変えることを意味し、よい教育者においてはその過程を経て、さらに人格者としてのモデルを築かなければならないことをワークショップを通じて感じました。 また、教師と生徒との関係性をうまく築き、教師は何が生徒を強力的かつ効果的に変えられるかをわかっていなければならないことを知り、人間関係の中から人格形成を図れるよう今後に生かしたいと思う。 鈴木 美奈(国際交流・国際協力専攻 4年) セミナーに参加し、教育者を目指す者としての責任の重さをより一層感じることが出来ました。また、教育者としてだけではなくすべての大人の行動が子供の人格形成に大きな影響を与えていることを自覚し、子供の見本となる大人の一員として自分自身の行動に責任を持って生活していきたいと思います。