道徳科学教育センター 研究会を実施
平成28年1月29日(金)、麗澤大学校舎「あすなろ」の会議室にて、道徳科学教育センターの研究会が行われました。
以下、副センター長の川久保剛准教授からの報告です。
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麗澤大学道徳科学教育センターでは、「道徳」の特別教科化を受け、今後の道徳教育の展望を拓くための様々な研究を進めています。
今回は、道徳教育学の第一人者として、学習指導要領の改訂などにも関わってこられた岐阜大学大学院の柳沼良太准教授をお迎えして、「特別の教科 道徳の在り方について~問題解決的な学習を中心として」というテーマでご講演を頂きました。
柳沼准教授は、今後の道徳教育のあり方を展望する際の前提として、従来の道徳授業が道徳の情意的側面の重視に偏向してきた問題を指摘し、情意的側面のみな らず認知的、行動的側面も重視してバランスよく道徳性を育成する授業づくりに方向を転換すべきだと説かれました。また今後は、上記の三つの側面を育成しな がら、いかに「生きる力」の基盤となる道徳性を養成していくかが道徳教育の課題となること、そのためには従来の読み物資料を使った心情理解型の道徳授業で は不十分であり、子どもたちが道徳を自己の問題として主体的・統合的に捉えるための「問題解決型」の授業を取り入れていくべきだと主張されました。その上 で、「問題解決型」授業の実際の展開方法や評価方法などについて豊富な事例をもとに紹介されました。また以上の点が、今回の学習指導要領の改訂にどのよう に反映されているかについてもご説明下さいました。
柳沼准教授の分かり易く丁寧な説明と誠実でユーモアを交えた語り口のおかげで、質疑応答も盛り上がり、大変充実した研究会となりました。道徳科学教育センターでは、今回の研究会の成果をもとに、研究・教育活動をさらに深めて参りたく存じます。